7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針)」では、17分野への積極投資による「強い経済」の実現や「責任ある積極財政」が大きく打ち出されています。
その中には、当事務所の業務(中小事業主様向け)に直結する「最低賃金」や「外国人政策」も記載されています。 実務に直結する部分を、行政書士・社会保険労務士としての視点で整理します。
■ 政府方針の要点(抜粋)
● 最低賃金:現実的な「1,500円目標」へ
骨太方針では、次のように明記されています。
「最低賃金については、2020年代に全国平均1,500円という高い目標の達成に向け、遅くとも2030年代前半できる限り早期に全国平均1,500円を達成する。」
これまでの「2020年代に1,500円」から、「2030年代前半のできる限り早期」という現実的な表現に変わりました。しかし、賃上げ路線の転換はなく、2026年度も+70円前後の上昇が見込まれています。
最低賃金の上昇は、社会保険適用拡大と重なる企業にとって負担が大きく、特に従業員35〜50名規模の事業者は影響が顕著です。 → 過去のお知らせ「2027年に備える」にも整理しています。
● 外国人政策:入管体制の強化と不法滞在対策の本格化
骨太方針では、外国人政策について次のように記載されています。
「在留許可手数料の見直しや電子渡航認証制度(JESTA)導入による手数料収入により確保した財源を最大限活用しつつ、出入国在留管理庁の人的・物的体制を抜本的に強化し…審査の迅速化・高度化を進める。」
さらに、数日前の報道では入管職員を200名超増員する方針が示されており、 不法残留・不法就労対策を本格的に強化する姿勢が明確です。
・茨城県など不法就労が多い地域に警備官を重点配置
・審査官180名増員で「書面では見抜けない不法就労」への調査強化
外国人雇用を行う企業にとって、在留資格審査の厳格化・手数料値上げ・書類精度の要求レベル向上が確実に進むと考えられます。
■ 中小事業者が直面する主な影響
● 1. 人件費負担の増加(最低賃金+社会保険)
最低賃金の上昇に加え、2026〜2028年にかけて社会保険の適用拡大が段階的に進みます。
・2027:従業員35人超 → 社保義務
・2028:労基法改正の可能性(勤務間インターバル・連続勤務規制・有給の賃金計算変更など)
最低賃金+社会保険のダブル負担は、小規模事業者ほど影響が大きいのが実情です。
● 2. 外国人雇用の手続き負担増
入管体制強化により、次の点が重要になります。
- 在留資格申請書類の精度向上
- 実態と書類の整合性
- 就労内容の適正管理
- 更新・変更の早期準備
書類不備は審査遅延や不許可につながります。また、書類作成は本人又は行政書士(弁護士)に限定されていますので、書類不備をきっかけに作成者を問われますので、法令順守を心掛けてください。
● 3. 従業員定着の重要性
賃上げだけでは人は定着しません。
- 処遇改善
- シフトの柔軟化
- 教育体制の整備
- 日本語支援(外国人の場合)
これらを組み合わせることで、離職防止、更に採用コストの削減につながります。
● 4. コンプライアンス強化の必要性
不法就労対策が強化される中、企業側の管理責任も重くなります。
- 雇用契約書・労働条件通知書の整備
- 在留カードの確認
- シフト管理
- 社会保険加入の適正化
- 実習生・特定技能の適正運用
「知らなかった」では済まされない時代になりつつあります。
■ 当事務所の支援(行政書士 × 社労士 × 登録日本語教員)
当事務所では、以下の総合支援を提供しています。
- 在留資格申請書類の作成・提出(行政書士業務)
- 労務管理・外国人定着支援(社労士業務・登録日本語教員業務)
- 最低賃金に対応する助成金・補助金の活用支援(社労士・行政書士業務)
最低賃金の上昇、外国人政策の強化、社会保険の適用拡大―― これらの備えは万全ですか?
■ まとめ
最低賃金の上昇と外国人政策の強化は、2026〜2028年の中小企業にとって大きなテーマです。 早めの準備と正確な手続きが、コスト増を「経営改善のチャンス」に変える鍵になります。
当事務所では、実務に直結する支援をワンストップで提供しています。 お気軽にご相談ください。
