パート等で働きながら配偶者の扶養になっている方が、労働時間を増やして年収が130万円を超えると配偶者の扶養から外れることになり、働いている会社の社会保険(健康保険、厚生年金)か、国民健康保険、国民年金に自らが加入することになります。いわゆる「130万円の壁」です。せっかく労働時間を延ばし給料が上がっても社会保険料の負担が増えるため、実質手取りは目減りしてしまう事があるため、働き控えをして扶養の範囲に収まるように調整をされている方もいらっしゃると思います。(労働時間を増やしたことによる給料増が社会保険料負担より多くなるまでは、実質目減り。尚、会社にとっては、社会保険に加入させれば、労働時間増の多少にかかわらず社会保険料負担は増えることになります)

その社会保険料負担分を会社が賃上げし(週5時間未満の延長に対しては賃上げ)、増やした労働時間に応じて手取りも増えるように取組をした会社に対して助成する、新たな助成金が新設されます。

【キャリアアップ助成金_「短時間労働者労働時間延長支援コース」】*当分の間の暫定措置

*施行予定日:2025年7月~

*助成額(1年目

要件1要件21人当たりの助成額
所定労働時間の延長賃金の増加(賃上げ)大企業事業主中小企業事業主小規模事業主(常時雇用30人以下)
5時間以上30万円40万円50万円
4時間以上5時間未満5%以上30万円40万円50万円
3時間以上4時間未満10%以上30万円40万円50万円
2時間以上3時間未満15%以上30万円40万円50万円

*助成額(2年目

要件1要件21人当たりの助成額
所定労働時間の延長賃金の増加(賃上げ)大企業事業主中小企業事業主小規模事業主(常時雇用30人以下)
労働時間を更に2時間以上延長15万円20万円25万円
基本給を更に5%以上増加又は昇給、賞与若しくは退職金制度の適用15万円20万円25万円

最低賃金の上昇で、扶養の範囲内に抑えようとすれば必然的に労働時間が短くなり、会社にとっては労働力不足が問題化します。新たな人材の雇用も簡単ではありません。例えば1週間に4時間延長してくれるパートさんが5人いれば、週20時間働いてくれる新しいパートさんが来てくれたのと同じです。今後は社会保険加入条件も緩和されていきますので、今まで以上に社会保険加入者が増えていくことも見込まれています。このような状況を背景に導入される助成金です。当分の間の暫定措置ですから、早めに検討してください。

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