3月のホームページのお知らせや、当事務所のニューズレター(Vol.6)でもお伝えしておりました「入管関係の手数料値上げ」について、大きな動きがありました。
入管法改正案が参議院本会議で可決され、正式に「成立」いたしました。
大幅な手数料改定が、いよいよ現実のものとして動き出すことになります。改めて、今回の改正ポイントをおさらいするとともに、外国人労働者を雇用する企業様が今から考えておくべき実務上の対応について、解説いたします。
今回成立した改正案の主なポイント
以前ご紹介した内容も含め、主な変更点は以下の通りです。
- 在留資格の変更及び更新手数料
- 法定の上限が「10万円」に設定されました。
- 実際の改定では、在留期間に応じて「1万円~7万円程度」になる見込みです。(現行の6,000円から大幅な増額となります)
- 永住許可の手数料
- 法定の上限が「30万円」に設定されました。
- 実際の改定では、「10万円~20万円程度」になる見込みと言われています。(現行の10,000円から一気に引き上げとなります)
実際の金額の目安として、1年なら「3万円程度」、3年なら「6万円程度」、5年なら「7万円程度」、永住は「20万円程度」になる見通しと報じられています。許可される期間が長いほど、1回あたりの負担が大きくなる仕組みです。
※今回の手数料値上げは、順調に進めば「本年中(2026年中)」に実施される見通しです。
①:社内ルール(就業規則)の見直しも・・・?
これまで、在留資格の更新にかかる数千円の手数料を「会社が全額負担」していた企業様も多いかと思います。しかし、今後は1人あたり数万円というコストがかかるようになるため、受け入れる人数が多いほど、企業の財務への影響は決して小さくありません。
施行される前に、以下のような事前の検討と制度化が必要になるかもしれません。
- 負担ルールの見直し: 今後も会社が一律で全額負担するのか、あるいは「勤続年数に応じた補助」にする等、一部を本人負担とするのか。
- 就業規則(社内規定)への明文化: 後々のトラブルを防ぐためにも、費用の負担区分を明確にしておくことも重要です。
②:「日々の労務管理」が最大のコスト削減に?
一方で、入管の在留期間の許可動向は、企業様にとって少し前向きな変化(トレンド)も見えてきています。
実はここ半年ほど、特定技能の在留資格において、これまでは「1年」の許可が多かったものが、一気に「3年」などの複数年で許可されるケースが増えてきています。
今回の改正で手数料が「在留期間に応じて」変わる以上、1年ごとの更新を毎年繰り返すよりも、一回で長い期間の許可をもらう方が、支払う手数料の総額も、申請にかかる手続きの手間(事務コスト)も、結果的に大きく抑えることができます。
では、どうすれば「3年」などの複数年許可が得られやすくなるのでしょうか? その鍵となるのが、やはり「日々の実直な労務管理」です。
労働関係や社会保険関係の法令をきっちり守って外国人労働者の方々を大切に雇用している企業様は、入管からの「受入れ機関としての信頼」が厚くなります。その信頼こそが、複数年許可を引き寄せる最大の要因になります。
「社内の労務管理の体制をしっかり整えることが、結果的に一番のコスト削減になる」という実務の好循環を、ぜひ意識していただきたいと感じています。
おわりに
法案が成立したことにより、今後は具体的な施行日やより詳細な金額が順次発表されていくことになります。
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