遺言もなく法定相続人がいなければ、亡くなった後の財産は最終的に国庫に返還されてしまうことを以前触れましたが、その相続人不在のため国庫に返還された財産が、2023年度は1000億円を突破しています。インターネットで調べてみると2021年度は647億円という記事がありましたので、2年間で350億円以上も増えていることになります。
亡くなった方の財産を相続人が調べるのは大変な作業です。特にネット口座、そして、実は土地も厄介な場合があります。現状、所有不動産を調査する方法としては、固定資産税納税通知書や名寄帳がありますが、自治体ごとの管理だったり、非課税の不動産(土地など)は対象外、また1月1日時点で調査をしているため、1月2日以降に所有した土地は含まれない等、結果として財産から漏れてしまう可能もあります。
国庫に帰属することで、広く社会に還元されるという考え方もありますが、やはりご自身の財産は自分で整理し、財産目録、遺言書という形にしておくのが望ましいと言えます。
